一人目 Sometimes sound

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 慣れたように笑って、これ以上無いくらい胡散臭い声色で語りかけてくる。特に話すこともないのに、この人からは自ら口を開く気配が一向にしなかった。  ああ、だからなんて嫌いなのに……。    ちょっと戸惑った私は、それを隠すように怒りを表現する。こっちこそ人間だもの、私も黙ってることにするわ。 「――そうでした。一つ貴女に質問があったんですよ」  感覚的には数時間黙っていた世界。この人はそれを破って、とっても自然に音を流しこんだ。間もなく続きを話したから、耳に入るのを止めてはくれない。 「貴女はどうして、此処に来られたんですか?」
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