一人目 Sometimes sound

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 不覚にも口角が上がってしまう。追い詰められて辛いはずなのに、この人に反撃できたみたいで、嬉しい、楽しい。  そうでしょう、私。 「……っ、そうでしたね、ごめんなさい」  一瞬目線を逸らしたこの人は、謝罪から口を縫い合わせ、喋る事は無かった。というより、そういう立場なのだから、私から話題を生まなければならない。    あぁあ、外が恋しいな。  濡れていたいのに、あの雨があれば何も聞こえないのに、な。ある意味雑音であるべき雨音は、快楽としてつきまとっているのかもしれないね。    そうでしょ、私?  
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