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の部屋でお姉ちゃんと一緒に眠ることになったんだ。ベッドの用意もしている。もう私は子供部屋で寝ることに決まっている。本当は、一人でちゃんと眠れるのか不安だし、お母さんと一緒に眠りたいんだけれど。
そんなあたりまえが、今日から変わる。
お姉ちゃんはすごい。私の知る限りではお姉ちゃんはずっと一人、部屋で寝ている。トイレに行きたい時は自分一人でいく。私なんか、トイレで起きるに決まっているし、トイレに一人で行けなくてお母さんと一緒に行くのが当たり前だ。お姉ちゃんは小学五年生。小学五年生になれば、私もそうなれるのかな?
「じゃあ由美、よろしくね。おやすみ」
「はーい、おやすみー」「おやすみー」
二階に行って『由美と亜美の部屋』と書かれている扉を開ける。お姉ちゃんは電気をつけた。持ってきたうさみをおもちゃ箱の前に置いて、さっそくベッドに向かった。
「お姉ちゃんは先に寝るね。あ、電気消すから早くベッドに入って」
言われるがままに、私は自分の新しいベッドに入る。
ベッドの木の匂い、新しく買ってもらったばかりの布団の匂い。いつも嗅いでいるお母さんとお父さんの匂いはどこにもなく、ちょっと落ち着かない。
「消すよー」
パチッと音がして、部屋の中のものはなんにも見えなくなってしまった。
「うわ! 真っ暗! なんにも見えない」
「すぐ慣れるよ。ほら、おもちゃ箱の前にうさみがいるよ。見えるでしょ」
「うん、うさみ見えるよ」「なら安心でしょ? おやすみ」
そういうとお姉ちゃんは布団の中にもぐりこんだ。
お姉ちゃんの寝息はすぐに聞こえてきた。
すやすや眠っているようだ。私なんか、目がぱっちり開いちゃっているのに。目をぎゅっと瞑ってみた。それでも眠れなかったので、羊を数えてみた。でもだめだった。
お母さんのところで寝ようかな。いやいや、そんなことしたら、まるで赤ちゃんみたいだ……と、思ってしまう。
ガサ、ガサガサ。
……何? この変な音。
思わず体が固まってしまった。
ガサゴソ、ガサゴソ。
この部屋に、なにか動物でもいるの?
気になってしかたがない。私はふとんからちょっと顔を出して部屋の様子を伺ってみた。
真っ暗な夜の部屋。でも布団の中よりは少しだけ明るいので、机とかいすとか、お姉ち
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