運命ならば

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「起きたの?ちょっと待っててね時間見てみる」 由香はテーブルに置いてあるスマートフォンを手に取り時間を見た。 「9時だって、どうする帰る?疲れてそうだから帰った方がいいんじゃない?」 「うーん。でも、もうちょっと由香ちゃんの膝枕で寝ていたいよ」 「私もその方がいいけど・・・」 「由香ちゃん!」 横塚さんが起き上がって猛烈なキスをしてくる。呼吸するタイミングが解らなくなり苦しくなる。同時に何だか可笑しくなった。 「じゃあ、延長ね」 由香は笑いながら電話を掛けた。 それから横塚さんは2回延長をした。ただ膝枕で寝て、たまにキスをするだけだ。それなのに今日だけでいくら使っただろう。単純計算で55000円近くいっている。でも来週もまた来るだろう。由香がここで働き始めた2年前から殆ど毎週欠かさず来てくれているのだ。
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