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『何が聞きたい?』
喫茶店だった。部長と二人、3日後の8時半。ジェイの見舞いの後。
『はっきり聞きます。ジェイと、つき合ってるんですか?』
『そうだ』
『養子にしたんですよね』
『あれは……他に手段が無かった。日本では俺たちの結婚は認められない』
『結婚……』
『お前がこのことをどうしようと構わない。元々俺はもうしばらくしたら会社を辞めるつもりだ。だが……ジェイのことは……』
『仕事は、ちゃんとします。このことを誰かに言う気もありません。ただ、考えたいです。すみません、ジェイにもそう伝えてください。仕事は別問題だと思ってますから』
それ以来、個人的な話をジェイとはしていなかった。部長に聞いたのだろう、無事に退院したジェイは、職場でも口少なくなっていた。
「あの……花さんは俺たちのこと、今どう思ってるの?」
「正直言って……答えるの、難しい。二人のことが分かってからいろんなことが繋がったよ。なぜあれだけお前が部長を慕ったのか。部長がお前を大事にしたのか。……あんまりそばにいたから分からなかった。考えてみれば異常だったんだよな、部長とお前の結びつき方って」
ジェイは返事が出来ない。
「すごく考えた。理解の範疇、越えてたし。どう接していいか分からなくて」
「うん……」
「本気で、このまま続けていくのか? その、部長との結婚生活」
「うん……俺、それ以外もう考えられないんだ。一人になんてなれない……」
「そうか」
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