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マゾじゃない、酒は飲まされたのだ、必死に抗った。それをジェイが自分で主張しなければならない……
隣に座っているジェイを見た。
(お前……何を話してるのか分からないって顔して。こんな状態のお前に状況説明しろだなんて……)
分かっている。知っている、言ったもん勝ちだ、裁判なんて。こういう事件では法律という穴だらけの壁の中で叫んでも、被害者が助けられるかどうかはギャンブルに有り金を賭けるのと変わらない。
(正義なんて無いんだ、あそこには)
自分はその裁判所の入り口にすら立てなかった。
『感じたか、感じなかったか。射精しているのは快感があったからだ。合意の証拠になる』
明確にあの言葉が蘇った。
(ジェイは……射精させられたのか?)
聞けるわけが無い、そんなことを。
『しってるの? なにが、あったのか』
『花はきれいだよ。何があってもきみの美しさに変わりはないから』
『おれがうつくしい? なに、いってんの? おれ、よごれたんだよ』
掴んできた手の温かみ。上下に動いて吐き出した自分。尻に入って来た指……
「私と宗田が呼ばれたのには何か意味がありますか?」
(いけない!)
ハッとした。いつの間にか自分の世界とごっちゃになっていた。背筋を伸ばす。ちゃんと聞いて、後でジェイに聞かれたら答えなければ。
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