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「おはよっ」
次の朝、元気な顔で病室を覗いた。真理恵は起きていて、窓の外を眺めていたが、花の声にぱっと振り向いた。
「花くん!」
「ごめん、昨日来れなくて」
「私こそごめんね、連絡しなかった」
「気にしなくていいよ。ちゃんとお母さんが連絡くれたし。仕事気にしてんなら構わずにかけて来いよ。どうにでもするんだから」
「うん……」
「いろいろ持って来た。このロッカーに入れとけばいい?」
てきぱきと着替えやらタオルなどをしまっていく。
「欲しいものあるか? なんでも買ってきてやるよ」
「いいよ。母さんも来るし、花くんは仕事に行って」
「あ、今日は休んだ。だから俺を使っていいよ」
「休んだの!?」
「その代わり今日だけな。早退や遅刻なら出来るけど、一日休みって言うのはよっぽどじゃないとこの先無理かもしんない」
「うん……」
「どうした?」
「ちょっと……安心しちゃった。今日はいてくれるって」
いつもニコニコしていたからあまり考えて来なかった。もしかしたら残業続きで寂しい思いをさせていたかもしれない。帰宅すればいつも美味しい食事を用意してくれていた。
「お前さ、ずっと無理して我慢してたんだろ」
「そんなこと無いよ」
「強情っぱり! 頑固なんだから」
「花くんに言われたくない」
「……大事な時なんだしさ、言えって。俺に遠慮なんかするなよ」
「うん」
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