37.繋がっていくもの

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   夢はまた走っていた。寝室から羽枕をいくつも抱えてくる。超愛も遅れて手伝う。ソファはあっという間に真理恵のための特別席に代わった。 「大丈夫、ゆめさん。ちょっと気分が悪かっただけでもう治ったから」 「この時期は大事なの。花、うんと気をつけてあげて」 「う、うん」  花は何をしたらいいのか分からない。頭の中が何かでいっぱいなのに何を考えているのかが自分で分からない。  どうしているのが一番いいのか。後で思い出して赤面することになるのだが、ひたすら真理恵に「大丈夫? してほしいこと、無い?」を繰り返していた。 「花くん、落ち着いて。連休終わってから病院に行ってくる」 「そうだ、救急車!」 「ばか、こんなことで救急車使ったら本当に具合の悪い人に申し訳ないでしょ?」 「連休明けまで待てるの?」 「あのね、病気じゃないの。もっと落ち着いて」  結局立ったり座ったり。 「そうだ! 茅平の家に電話しないと!」  父が初めて世間一般の反応らしい言葉を口にした。 「まさなりさん、はっきりしてからでいいから」 「この上なくはっきりしているよ。なんで気づかなかったんだろう、真理恵ちゃんが違って見えていたのに」  急いで電話をする父を見ていた。そんなことに気が回らない。 「すぐ見えるよ。とにかく今日はお姫様になったつもりで過ごしてほしい」 「ありがとう。花くん、なんて顔してるの? 間違いないって分かったらパパになるんだよ」  パパ。 (パパ? 誰? 俺? 俺…… 俺!?) なおのこと舞い上がってしまう。 「マリエ、俺たちに子どもができるってこと?」   
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