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うーに出会ってから3日程たったある日の夕食の時間に私はついに切り出した。
「最近バイト先でさ、白くてパンダみたいなめちゃくちゃ可愛い子犬がいるんだよね〜」
「へぇ〜」
父、母、姉、みんな話しへの食いつきが悪く聞き流す程度である。
「見て、コレ!クソ可愛いから!見て!」
強引にガラケーで撮った画質の荒い写真を見せる。まずは隣に座る姉から。
「ね?可愛くね?」
「本当だ、可愛いな」
「でしょ?!欲しくない?」
「ダメだかんね!絶対うちでは飼わないからね!」
普段空気読めないくせにこうゆうことだけは無駄に敏感に察知する母親がキレ気味で言ってきた。
父も母親程反対する訳ではないが
「連れて帰ってくるなよ」
っという始末。
まあいい。こんなのは予想の範疇だ。
とにかくまずはナミから。
ナミさえ落としてしまえば強行突破が可能だ。
「ナミ、可愛いでしょ?ねえ、」
「うーん、可愛いけどなあ〜、、」
「男の子だから、女の子より楽だよ!避妊とかもないし!」
「うーん、少し考える」
「絶対、ダメだかんね!!!」
母のコメントは無視。
その日から、ナミに毎日うーの可愛いエピソードを話した。
指をつっこんだら甘噛みされたこと
店内の裏を歩き回ったこと
パンを美味しそうに食べたこと
じゃれてきて遊んでアピールしてきたこと
そしてそんな悶々とした日々が3日程続いた。
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