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「お先に休憩頂きまーす!」
待ちに待った休憩。急げー!と1人で小走りする。(走ると怒られるので)
「ワンコ待った?会いに来たよォォォオ!君は可愛いですねぇ!泣いたりしないのかい?なぜずっと無言なのだい?」
声を出す事もせず、ジーッとただ見つめてくるワンコとパンと牛乳をあげたり手でじゃれあったり時間いっぱいギリギリまで過ごす。
子犬と戯れたのは、19年間生きてきてはじめての事だった。
こんなにも心がむず痒くホッコリとするものなのかと、衝撃を受けた気分だった。
(家で飼いたいな、、連れて帰りたいな、、
どうすれば許可がおりるものか、、
うーん、、)
我が家は動物を飼ったことがない。
小さい頃、野良猫を手懐けてご飯をあげて餌付けし物置きに住まわせた事はあった。そのニャンコは子供を産み最高で11匹くらいになっていたが、1匹、また1匹と気づけば居なくなったりできちんと飼ったことはなかったし
母親が綺麗好きな為、家の中で飼うなんてもってのほかだった。
この話には私の幼少期のトラウマになる続きがあるがそれはまたの機会に。
(とりあえずこの可愛い写真を撮って、、
まずは姉のナミから口説き落とそう)
自分1人でこの小さい命の責任を持てるのか、この時の私にはわからなかった。
なんせ私は飽きやすく責任感なんて皆無な人間だったから。
そんな自分が「私が面倒みるから飼う」なんて言いえる自信がなかった。
なので責任転換である。
ナミを口説きナミも協力してくれるのならば、長女なので私よりしっかりと面倒みてくれると
そう思ったのだ。
今思えば ''命" というものについて考え出したのはこの時が初めてだったのかもしれない。
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