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「うー!バイト終わったよおお
うおおお、ヨシヨシヨシヨシ可愛い可愛い
ハスハスハスハス」
「うー?!?!」
仕事終わり警備員室の前で私が放った名前に先輩の伊能さんが驚きの声を上げる
「うーって、この子の名前?!決めたの?!急に?!飼うの?!」
「そーです!うーちゃんです(ニコッ)
飼えるかはわからないです、、」
「びっくりした〜名前決めるの早すぎでしょ」
「ビビッときたんですもん」
苦笑いの伊能さんに思いっきりキラキラした笑顔で自信満々に私はそう答えた。
白くまパンダ柄のぬいぐるみのような子犬を撫でくりまわしながら至福のひとときを噛みしめる私。
「この子の性別どっちですかね?」
「男の子っぽいですねぇ」
先輩なのに柔らかな敬語で話す立岩さんが教えてくれた。
「男の子かあ〜
女の子よりも説得が楽そうだなあ、、」
「なに、家族会議するですかぁ?」
「はい、まずは姉から落とそうかと、、」
「中村さん顔企んでるって」
「怖いですよぉ〜」
「ふふふふふ」
ニヤリと含んだ笑顔をして答えた私に2人の先輩が笑いながらツッコんできた。
「って、いうかダンボール大っきくリニューアルしてません?コレ」
休憩まで小さめのダンボールに入ってたはずだが帰りの今は一回り大きく高さのあるダンボールになっていた。
「あれぇ、ホントですねぇ〜?」
「警備員さん、ダンボール変えたんですか?」
しっかり者の伊能さんが私の代わりに警備員さんに声をかけてくれた。
「あぁ、その子元気すぎて昼間ダンボールから抜け出しちゃってさ、店舗裏のその辺歩き回って大変だったんだよ〜
だから出れないように変えたんだよね」
伊能さん、立岩さんそして私
一瞬の沈黙。
そして笑った。
なんて微笑ましいんだろう。
短い手足でダンボールを乗り越えチョロチョロと歩き回る うーの姿を想像しただけでキュンキュンが止まらない。
「かわいすぎだろ」
「ホントですねぇ〜(笑)」
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