プロDom

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「……ふぅ」  電車に乗り三十分。いつもの駅で降り、いつものコンビニへ寄る。夕飯用の冷凍パスタと朝食用のパンを手にレジへ向かった。 「プレミアムあんまん、ひとつください」 「はい」  低い声を出した男性店員が気怠そうにホットケースのあんまんをトングで取り紙へ包む。初めて見る店員だった。コウとは真逆の派手なタイプ。金髪にピアスもしている。おそらく大学生であろう店員が戻ってきて、コウは『あ』と気付いた。  彼の首には(カラー)があった。それが意味しているのは、彼はSubであり、Domである誰かの庇護下にいるということ。ヤンチャそうに見えてこんなに横柄な感じなのに彼には(カラー)がある。  (カラー)を持つことも、DomとSubの区別も見た目とは関係がないとは分かっていても、コウはそのチャームから目が離せなかった。店員がコウを見て、フッと勝ち誇った笑みを漏らす。 「五百三十円です」 「あ……はい、交通マネーで」  店員の声に慌ててコウは携帯をレジの端末にかざした。商品袋を受け取り、コンビニを足早にあとにする。 「ありがとうございました。またお越し下さい」  男性店員の元気な声に「ありがとう」の返事すらできなかった。
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