一条からの依頼

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 翌朝、朝礼で挨拶した新人、塚田悠斗(つかだゆうと)は絵に描いたようなお坊ちゃんだった。  育ちの良さが伺える外見と物腰。軽く、若干ヘラヘラはしているが下品ではない。もっと薄っぺらそうなパリピボーイを想像していたコウは内心ホッとした。  良かった。思ったよりマトモかもしれない。  塚田は頭の回転が早く、若いだけあって仕事に対しての飲み込みもとても早かった。会話も論理的で俗に言う地頭の良さを感じられる。コミュニケーション能力も高い。  教育係として気負っていたコウだったが、一週間ほど塚田と過ごし、すっかり普段と変わらぬペースを取り戻していた。
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