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突然、戦士たちは一斉に地面を蹴った。彼女らが目指すものはただ一つ、目の前の宝である。
「やめろ、お前ら引っ込んでろ!」
ある戦士がそう叫ぶと、側で必死に手を伸ばしていた一人の髪の毛を掴み、地面に叩きつけた。ところがその直後、彼女の背後から手が伸びてきた。手は彼女の顔を鋭い爪で引っ掻いた。
彼女はぎゃあ、という悲鳴を上げたが、辛うじて持ちこたえると後ろを振り返って、手の主を睨みつけた。手の主はそんなことはお構いなしに、宝の山へと身を乗り出している。
「この野郎、ふざけんな!ぶっ殺してやる!」
「なんだと、お前こそくたばれお転婆ババアが!」
そんなことをしている間に、他の者は更に壮絶な戦いを繰り広げていた。ある戦士が宝を手にした途端、その戦士への集中攻撃が開始されたのだ。彼女は体中血だらけになりながら、呻き声を上げて倒れてしまった。
だがこれだけでは終わらない。今度は彼女が落とした宝に一斉に戦士が群がる。
「おい、お前今私の顔叩いただろ!やめろこの糞野郎!」
「私じゃねえよ、お前が糞野郎だ!さっさと失せやがれ!」
「やったなこの糞アマが!死んじまえ!」
「痛え!何してんだ、この✕✕✕✕め!」
「邪魔だ、どけ!手を離せ!」
「殺してやるうううう!」
「きいいいいいいい!」
結局たったの数分で、そこは人間と血と僅かな宝物が混ぜこぜになった地獄と化した。そんな悪夢のような光景は、この後更に5分間続いたのであった。
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