お前にだけ話す秘密の話

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お前にだけ話す秘密の話

え? なんでこんなゴツい傘を持っているかって? フフフ、よくぞ聞いてくれた。なにせ、こいつは俺の相棒だからな。 ちゃんと名前もあるんだぞ。その名も聖剣・エクスカサバー! ……おい、引くなよ。 別に俺は中二病の痛いヤツじゃない。 これにはちゃんと理由があるんだって! それを聞けば傘が相棒、の意味もわかるしこの名前がけして仰々しいものじゃないってこともわかるからさ。 まあ、最初は俺の嫁との馴れ初めから聞いてくれ。 おい、これはお前だけに特別に話すんだから嫌そうな顔するなよ。 言っておくが単なるノロケじゃないぞ。 ――なにせ、これは誰にでも話せる話じゃないんだ。 ◇  初デートの日、その日は見事に雨だった。 (なんでよりによってこの日に降るかなぁ……)  俺は前日までとは真逆のテンションで深い溜息を吐く。  実を言うと、前から気になっていた彼女に思い切ってデートの誘いをかけ、意外にもOKを貰ったんだ。美人だから彼氏がいたらどうしようとか、倍率高いんだろうなとか、事前にあれこれ悩んでいたのが嘘のようだ。  おい、だからノロケじゃないって。話は最後まで聞け!  ザーザー降りではなくパラパラという小雨程度だったのが救いだが、それでもテンションは下がるよな。
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