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うずら丸が帰還してから、月に数度、こちらでともに過ごすことを私は許された。
その際には必ず、真守様の臨席が必要であると陰陽博士様から条件がつけられ、当初こそ、ぎこちなかったものの、今では常に和気あいあいと過ごしている。
私も、諸々の非礼をきちんとお詫びすることができた。
「……あら、本当に、途轍もなく不味いわね。舌が痺れそう」
「え? あつこ、しぬのか? まもりの、せいで」
「うわーっ! 近江様、なんで、それ食ってんですか!」
「あつこを、ころす、くいもの。うずらまるが、もやしてやる」
「やめろ、うずら丸。昨日、お前がふざけて口から噴射した火炎を消すために水の式神を俺が呼んだら庭が水浸しになって、父上にこっぴどく叱られただろ。忘れたのかっ?」
「そう、だった。うずらまるも、もりおに、しかられた。かなしかった。もう、かえん、はかない。たまにしか」
「たまになら、吐くのか!」
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