それでも出勤

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それでも出勤

 弱い余震が続く中、ふさぎ込んでてもしかたないと起き上がる。  時刻はすでに午前7時を過ぎていた。  テレビを見ながら軽い朝食を済ませてる時間帯だけど、停電したままなので倒れた液晶テレビを起こす気にもならない。  床に散らばる雑誌や小物、引っ越した時に梱包されたままのダンボール箱も床に散乱してる。 「トイレにいきたい」  重い腰を上げて立ち上がり、ヨロヨロとパジャマ姿のまま歩きトイレに入った。  スッキリして立ち上がり、レバーを捻って水を流すんだけど貯水タンクへ注ぎ込まれる小さな蛇口から水が出ない。 「うそっ!」  急いで洗面台へ行きレバーを上げてみたけど水は出ない、台所にある蛇口を試してみても同じだった。 「水が出ない、断水してるのかしら。もう、この部屋のトイレつかえない」  洗面台の鏡に映る自分に向かって愚痴を言ってみる。 「そういえば、お腹すいたな」  前日の会社帰りに購入した調理パンを食べ、買い置きのミネラルウォーターを飲む。  冷凍庫に入れておいたカップアイスたちは、停電の影響で無残な姿に。 「黙ってこの部屋に一人でいるぐらいなら、会社のみんなと・・・・・・」  小さな揺れが続く中、私はいつものようにメイクをした。ヘアドライアーは使えないので、トリートメントスプレーで髪を整え会社の制服に着替えて出勤の準備はできた。  散らかった部屋はそのままにして、スマホを手に取り外に出る。  こんな状況だけど、私と同じように車に乗って出勤しようとしてる人を目にする。  私も愛車のエンジンをかけて、ふとメーターパネルに目をやると燃料のガソリンがほとんど入ってない。  最悪の状態だった・・・・・・
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