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あきれた私は、腕組みをして横目で睨み付けるような態度で課長に言ってやった。
「私は今後いっさい課長のサポートはしませんので、どうぞご自由に好き勝手やってください」
そう言われた課長は急におとなしくなって、乱れたネクタイを締め直しながら咳払いしつつ私に言ってくる。
「こまる、すごくこまるんだ。キミにやってもらわないと、何かあったら課長のわたしが責任とるはめになる。取引先との交渉や営業もキミのほうが上手にやってくれるしな・・・・・・」
都合の悪い事は何でも私に押し付けてきた課長、自分が責任を取らなければいけない環境をすごく嫌ってる。
私の地元にある営業所に、転勤で二年ほど一緒に働いてたので課長には色々とはっきり言えた。
事務所に入れず途方に暮れている社員たちを見ていた常務が、低い声で静かに話し始める。
「今のところ警備会社と連絡がつかない、電力の復旧だっていつになるか分からん。小さな余震も続いてるし、今日は解散して会社から連絡があるまで自宅待機だ。信号機も消えたままだし、みんな気をつけて帰るんだぞ、以上だ!」
常務の一言で帰宅が決まった社員たち。
停電と小さな余震が続くなかで、私は帰路へ付く事になった。
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