知らずの町

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早姫は、ふと自分の足の裏を見た。 「つっ!??」 足の裏は、煤の上を歩いたかのように 真っ黒だった。 「やだ、なんでっ」 早姫の慌てた声に広信が覗きこんだ。 「どうした?」 「足の裏が真っ黒っ」 「どこが?」 「え?」 早姫は、再度足の裏を見た。 綺麗な肌色がそこにあった。 「あれ、だって、さっきは」 困惑する早姫に広信は笑って言った。 「やっぱ、お前疲れてんだよ。」 「そう、なのかな。」 早姫は、訝しみながら自分の足の裏を撫でた。 自分の足の裏は、氷を触ったかのように、ひんれと冷たかった。
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