知らずの町

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「晩飯までに時間あるし、俺は散歩でもしてくるけど、早姫はどうする?休んでるか?」 広信が立ち上がろうとてると、慌てて早姫も立ち上がった。 「私も行く!」 そして、辺りを見回した。 「探し物か?」 「スマホを」 「枕元に置いてあるぞ。」 広信にそう言われて、枕元を見ると枕の横に、スマホが置いてあった。 あれ?と、思った。 自分は、スマホは必ずテーブルか台の上に置くのだ。 それは旅先でも変わらない習慣ともいえる。 首を捻りながらも、早姫はスマホを手に取った。 広信は茶色の羽織をすでに羽織っており、早姫にも茶色の羽織を手渡した。 「ありがとう。羽織なんて置いてあったけ?」 荷物を置きに着た時は、確か無かったような気がする。 「座布団の横の籠に置いてあった。」
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