知らずの町

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◇◇◇ 結姫は、かたぱっしから早姫の友人に、早姫の旅行先を聞いて回っていた。 すると、手の中のスマホが振動し、画面には「非通知」と表示されてある。 とっさに、早姫からだと思って電話に出た。 「今、どこ?」 開口一番そう尋ねた。 電話の向こうでは苦笑のような笑い声が聞こえた。 「竹無村の 、竹無し旅館」 キャハハハハハハハハ。 キャハハハ キャアァァ キャハハハははははハハハハハ。 子供達の笑い声が聞こえて、結姫は眉をしかめた。 笑い声で、聞きづらかったが、竹無。と声は拾えた。 キャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハキャハハハ 子供の笑い声が、一段と大きくなる。 電話口のすぐそばにいるんだろうか。 「……そこ、騒がしいね。子供がたくさんいるの?」 キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ あそぼぉうよぉぅ 無邪気な子供の声が耳元でしたかと思うと、ガチャリと電話が切れた。 結姫は、無言で画面が真っ黒になったスマホを眺めた。 「…竹無。ね。」 なんの感情も伺いしれない声で呟いた。
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