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呆然としながらも、結妃は検索結果を読みふけった。
早くしないと、電波が途切れてしまう。
「山に入った。」
智也の言葉が言い終わらない内に、ネットが繋がらなくなってしまった。
結姫は、ため息をついて、スマホを仕舞うと前方を見た。
真っ暗だった。
車のライトのみが、頼りの光源だ。
「ねえ、あれは何?」
恐々と結姫は尋ねた。
竹と竹を結ぶように、しめ縄のように、赤い紐が結ばれている。
異様なのは、白い紙がいくつもいくつも、ぶら下がっていることだ。
そして、その紐の下を通り抜ける時に、全身に悪寒が走った。結姫は鳥肌のたった腕をさすった。
「ここから、竹無村だよ。」
「さっきのは何?」
結姫は、再び聞いた。
智也は、重い口を開いた。
「結界だよ。悪いものが山から出てこれないように。」
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