メク・ライセン

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その日のうちに僕はメクに連れられて施設を出た。  雪が降りしきる中、僕は手を引かれながら初めて外の世界の空気を吸った。  生まれて初めてだったのに過ぎ去る街中がどこか懐かしく感じたのはなぜだったろうか。 「メク、これから僕はどこに行くの?」  と少し控えめな声で僕は聞いた。 「ダレン、君は今から私の研究所で預かることにしたの」  メクはそう言うと、僕を見下ろして愛らしい笑みを浮かべた。  その日の夜、研究所で僕は初めてたくさんの大人達に会った。みんな僕を暖かく迎え入れてくれた。  研究所ではAIのロボット達がせわしなく動いていた。 「ダレン、あれを見てごらん」  メクはそう言うと研究所のモニターの一つを見せてきた。  そこには世界地図とその上を無数に動く青や緑の点が会った。 「あれは、AI斥力プレーンのリアルタイムの位置情報よ、あれだけのAIを一度に管理できているのも量子コンピューターの恩恵ね。私はその量子コンピューターの研究を続けているわ」 「ダレンあなたには一種の才能があるわ、だから将来ここで働くのよ」  メクは僕にいつも笑顔だった。  しかしそんな未来は来ることはなかった。
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