いよいよリゾートへ

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いよいよリゾートへ

空港でのスーツケースをピックアップしていると、係員がしきりに「自分のスーツケースから目を離すな」と叫んでいた。 それだけ置き引きが多いらしい。 一人の観光客なら荷物を置きっぱなしにしないだろうが、団体だとなんとなく自分の荷物は大丈夫、他の人と紛れているから、みたいな大きな気持ちになる気がする。 それか、誰かが見ていてくれるなんていう油断するのかもしれない。 それから私達は、リゾートへ行くシャトルバスに乗り込んだ。 リゾート地はあちこちのビーチに隣接し、あちこちにたくさんあって、全部塀で囲まれている。 なんとなく、ここへ来る人たちはドミニカ共和国を楽しむとか、この国に興味を持った人たちではないんだと感じた。 だって、その中はもう外とは別の世界だから。 そう、ドミニカ共和国というよりも、ただその国の中にある作られたリゾートの世界。 皆、ホリデーをビーチで過ごすことが目的なんだろう。 それと物価の安さ?かな。 じゃあ、他の場所でもいいんだよねって思うとちょっと寂しい気持ちになった。 おい、こらっ、私も例外じゃないぞ。 ホテル到着。 ホテルのフロントは開放的な空間。 噴水のある池でフラミンゴが数羽いた。 チェックインして、そのリゾートのブレスレットをもらえば、その敷地内は自由に行動できる。 リゾート内の移動はゴルフカートをビックにしたような園内用の乗り物。 ここはちょっとした町なんだと思う。 食事、アルコールは原則的に料金に含まれているから、やっぱりパラダイス。 特にビール飲み放題ってこと、私にとってはうれしい悲鳴。 テーブルに座り、まずビールを注文ってことから始めることができる。 ホテルは様々な棟別に分かれていて、毎日メイドさんが掃除、そして冷蔵庫へ水や飲み物を足してくれる。 ここの水道水は飲めないからだ。 ミネラルウオーターで歯も磨いていたっけ。 新郎の弟は、部屋の冷蔵庫、ビールと水だけにしてと先にチップを支払ったらしい。 私もビールは水代わりに飲んでいた。 こういう時、飲めないと損した気分だろう。 ルームサービス には、多少のチップを払った。 こういうことでやっと私もカナダ人の気持ちがわかった気がした。 海は最高に綺麗だった。 エメラルドグリーンの海。 白い砂浜にはたくさんのデッキチェアがあって、思うままに人々が寝そべり、ゆったりとした空間を楽しんでいる。 パンフレットに書いてあったけど、まさしく楽園。 パラダイス、スペイン語でパライソ。 ハワイは見事に真っ青な海だったけど、同じ海でもこれほど色が違うんだと感心。
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