水野という男

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 考えながら、私はふと、先ほど、米倉の洩らした言葉…  水野の女の好みが同じ…  という言葉を思い出した。  つまり、水野は、米倉の腹違いの妹、好子と不倫している…  その好子は、私、高見ちづると同じタイプの美人…  ゆえに、米倉は、水野の女の好みが同じだと言ったのだ…  が、そこまで、考えて、私は、あの日、水野が、私とぶつかったのは、偶然なのかと考えた。  私の傘が、水野の背中にぶつかった…  これは、偶然なのか?  それとも、水野が意図して、私の傘に、自分から、ぶつかったのか?  初めて、そんな考えが私の脳裏に浮かんだ…  閃いた…
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