水野という男

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 「…ボクは高見さんに言ったように、水野を知ってます…ですが、ボクの知っている水野は、高見さんの言うのと、同じ水野です…」  「…同じ水野?…どういう意味ですか?…」  「…高見さんが言った水野の評価…陽気で、おちゃらけて、どこにいっても、すぐに、誰とでも打ち解けることができる人間…ボクの知った水野と同じです…」  「…」  「…そして、そんな人間は、中身はまったくわかりません…」  「…中身がわからない?…」  「…そう…わからない…いつも、おどけて、ピエロのように振る舞ってる人間が、なにを考えてるか、さっぱりわからない…いつも、おどけているのは、自分の心を見せないための、最高の演出でもあるわけです…」
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