１０．２メートル

終幕

田口洋介が起こした事故は、交通事故史上最悪の事件として報道機関各社が一斉報道した。死者39名、重軽傷者61名という被害状況である。サンシャイン60通りは一時期現場検証で封鎖され、入り口前には多くの献花が置かれた。田口洋介の両親は人知れず姿を眩まし消息不明。やり場のない怒りは警察に向けられた。この事件で田口の轢いた数が100人だったことから、田口洋介100人斬りと揶揄される。海外ではゲームにされるほどだ。ある専門家はTVで呟いた。

「そもそもですよ、自宅からコンビニまでの距離が10.2メートルって・・歩けばいいじゃないですか！せいぜい7～8秒でしょ？車乗ってなかったらってねぇ、そう思いません？」

その発言に皆、激しく同意した。