1.

2/4
前へ
/49ページ
次へ
アパートからコンビニまでは歩いて10分程の所にある。スーパーは更にそこから10分程かかるが大地は自転車に跨りスーパーへ向かった。 学生時代、大地はバイクだ車だのとハマり親から借金までしても乗り回していたがそれも大人になるに連れて興味が薄れていった。ギターもサッカーもそれなりに熱中したが長続きはしなかった。 昔から変わらないもの……それは、本を読む事、そして執筆する事。 大地が実際に小説と呼べるものを書き始めたのは高校に上がった頃だ。 "地球からの侵略者"などというSF小説を宇宙人目線で書いた作品だ。 それ以降沢山の話を大地は書いた。 ファンタジー、ホラー、ミステリー、 誰にも見せて無い……官能小説。 大地は自転車を漕ぎながら景色を観察していた。季節は夏の入り口。打ち水のアスファルト、朝顔の鉢、花火大会のポスター。 その一つ一つを文字に変えて書きかけの小説のヒントを探す。……魅力的な物語に展開する期待して。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加