ウタウタイの社

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あとつぎは、えらばずえらべ、じょうじゅする。ふゆはかれども、はるはきたらん。 たにあれど、せをおしのぼれ、まへのやま。まへからひけば、たにへとつづく。  脱力し、神さまから与えられることばたちをそのままに、コマチは短冊に綴っていき、綴りながらその意味を深く掘り下げてみたい気持ちに刈られてしまう。 そうすれば、神さまのことばから、また遠退いてしまうので、相反する気持ちの鬩ぎ合いになる。 短歌は受け取ったひとが、個人で意味を理解し、暮らしの指針とするもの、自分は神さまのことばと詠唱京の民をつなぐ歌占職人という存在でしかない。神さまから授かったことばを漏れなく書き綴り、短歌のおみくじを完成させるべきだ。 コマチは短歌の解釈をやめて、詠い続けることに専念した。
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