22人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、あなたの記憶障害と失語症のことなんだけど。どうしたらいいかしら。手がかりは、その馬鹿信二のサインの入ったスケボー、だけなのよね…」
あおいは、食後のコーヒーをひとくち飲むと、ふうっとため息をついた。
人魚姫もどうすればいいか分からず、困ったような顔であおいを見ることしかできない。
しばらく考えてから、あおいは人魚姫に向かって言った。
「もしかしたら、あなたはプロのスケボー選手で、練習中に頭を打ったか何かで、記憶が混濁しているのかも。
それなら、スケボーをやってみたら、何か思い出して、うまくすれば記憶も戻るかもしれないわね」
スケボーをやってみたら!あおいの、その一言に、目を輝かせる人魚姫。
あおいは、そんな人魚姫の反応に、にっこりと微笑みながら、さらに続けた。
「信二も、少しはスケボーをやってみたことがあるらしいの。お酒の名前もついていないくせに、黒ずくめの格好で練習していたんですって。だから、少しは助けになるかもしれないわ。
じゃ、お昼になったら、信二も連れて、広いグラウンドにでも行ってみましょう。で、スケボーの練習、してみましょうか」
最初のコメントを投稿しよう!