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「おお、よく来たな。マリコから話は聞いているよ。
儂はマリコの祖父だ。まあまあ、そう固くならずに、こっちに来て座りたまえ」
別荘とは聞いていたが。
敷地面積は約1300坪。広々としたリビングには、全面ガラス張りになっていて、海が一望できる。外には、屋外プールと露天風呂、整えられた庭園、そしてスケボー練習場。
通されたリビングは、シンプルモダンな造りになっていた。
ベージュとダークブラウンの二色のみで構成された空間。間接照明の入ったテレビボード。シンプルだが、座り心地のよいソファーセット。八人がけのシックなダイニングテーブル。壁には、美術の教科書で見たことのある油絵。
「ここはモデルルーム…?さすが、有名ハウスメーカーの会長の別荘だ…」
冷や汗をかきながら、信二は呟く。
信二とあおい、そして人魚姫は、会長に促されてソファーに座る。人魚姫は座ると、スケボーを自分のとなりに置いた。
と、会長は、人魚姫の持ってきたスケボーを見るなり、驚愕の表情で叫んだ。
「そ、そのスケボーは!」
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