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「こらーーー!信二!
ああもう、信じられない!あんたがいくら馬鹿でも、犯罪にだけは手を染めない男だと思っていたのに!
胸だけ辛うじて貝殻で隠してる、推定15歳くらいのハーフ系美少女に、ナニをするつもりだったのよ!このエッチ!変態!」
「待て、話を聞いてくれ、あおい!」
信二がぼっこぼこに殴られるのを、人魚姫は、ただ呆然と見ていることしかできない。
10分後、砂浜には、倒れてカモメにつつかれている信二と、怒りに肩を揺らすあおいの姿があった。
あおいは、人魚姫のもとに駆け寄り、さっきとは打って変わって、優しい口調で話しかける。
「大丈夫?あの馬鹿に、変なことされてない?
ねえ、服をなくしちゃったの?もしよかったら、私の着替え貸してあげるから、それ着なよ。あなた美人だから、そんな格好でいたら、ああいう馬鹿が次々と寄ってくるわよ。
あ、私は葵あおい。あの馬鹿の幼馴染なの。よろしくね」
あおいは、そう言ってにっこり笑うと、背中のリュックから着替えを取り出し、人魚姫に差し出した。
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