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午前三時の体験談。
ホラーというジャンルにしているが、本当はノンフィクションが妥当。
でもノン・フィクションにしてしまうと、怖い。だから作り話の形を取る。読んでもらう。
だって。
あんなこと。
アレが、見て。
否。見てはいけなく……。
わたしがソレに気づいたのは午前三時だった。スマホに目を近づけ過ぎていたせいだと、最初は思った。
眠れない深夜、わたしは選りにも選って、ホラー小説を読んでいた。
ぼんやりと画面を見て。
ようやく眠れそう。
そう思った。
そのとき。
いけない、よう。
そんな声が聞こえた、気がした。
何がいけないの?
ダメという意味?
行けない。生けない。逝けない。
いろいろある。
寝ぼけ頭で考えた。
おまえはどの〝いけない〟がいい?
訊いてきたから考えた。
どの〝いけない〟がいいか。
なにげなく、天井の隅を見た。
わたしは慌てて答えた。
「行けない!」
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