8人が本棚に入れています
本棚に追加
そうか、おまえはいけないか。
では、他の者に訊こう。
天井の隅のモノがザァッと消えた。
真っ赤で大きな口から牙を剥き出しにしていたモノが。行けない。その言葉で居なくなった。
もしあの声を、夢の中のものだとして。
違う漢字を思い浮かべていたら。
ホラー小説でよく出てくる漢字に変換していたら。わたしは今頃。
……どうなっていたか、というその後はこれを読んだ人にゆだねる。
だからせめてものわたしの誠意。
読んでくれてありがとう。
あなたも気をつけて。
午前三時。
誰かから〝いきたい〟と訊かれたら。
この話を思い出して。
行けない。
そう言い、あの赤大口の化け物を、他の人に追いやって。
忘れないで。
夜中にホラー小説を読んだときは。
絶対にね。
最初のコメントを投稿しよう!