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「ふぅん?ライブねぇ…」 いつものように迎えに来た鷹城と手を繋いでのマンションまでの帰り道、と言ってもマンションは道路を挟んですぐ向かいなのだが、チケットを貰ったことを陽太は報告する。 「陽太は行きたいんだ?」 鷹城は、陽太の顔を覗き込むようにして、そう訊いた。 そして、答えを待たずにニッコリ笑う。 「いいよ、行こ。この前も陽太、楽しそーだったし、陽太が楽しいなら俺も楽しい」 そう言って、彼は陽太のこめかみに軽くキスをした。 「ライブデート、だな」 この前、栗橋が告白してきた日は、彼らしくない余裕のない抱き方をしてきたから、てっきり気が進まないのではないかと思ったのだが。 陽太は、そっと恋人を仰ぎ見る。 何やら鼻唄を歌っているところを見ると、鷹城は結構上機嫌っぽい。 この間のライブもなんだかんだ言って楽しんでたみたいだから、誘ってきた相手が栗橋とはいえ、ライブ自体は好ましいのかな? 陽太は、そう思ってやや安堵する。 「オリブルの曲演奏するって言ってましたよ」 「へえ……so much the better(尚更好都合だ).」 「え?」 英語が上手く聞き取れなかった陽太は聞き返したけれども。 「いや、こっちの話。で、いつ?」 鷹城は、さらりと流した。 その顔に、どこか悪戯っぽい笑みが薄く浮かんでいたことに、陽太は全く気がつかなかったのだった。
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