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セックスした男のパンツをはいて、午前3時に部屋を出た。
焼肉屋の匂いが染み付いたデニムを履くと、少し太もものあたりでボクサーパンツがダブつく。男を起こさないようにゆっくりと玄関ドアを閉めて外に出ると、闇の中でアパートの廊下の白熱灯がやけに眩しかった。
むくんでいるのか、素足で履いたヒールの靴がきつい。
きつくなったヒールで階段を下りると、カンカンと音がアパート中に響いたが、どうせ男は追いかけてこないだろう。
本当に寝ているのかもしれないし、寝ているふりをしているだけかもしれない。
とにかく、そんな一回セックスしただけの女を深夜にわざわざ追いかけてくる男なんていないのだ。そんなの面倒くさいだけだ。私が男だったら絶対にしない。むしろ、自分から帰ってくれてありがたいとさえ思う。
ただ、男のパンツを履いて帰る女はなかなかいないと思う。自分でも。
それが今日のようにボクサーパンツの日もあれば、トランクスの時もある。中にはシルクのトランクスだった人もいて、あれはなかなか履き心地が良かった。まぁ大体ボクサーパンツだ。
正直言うと、セックスより何より私はこの瞬間を楽しんでいるのだと思う。
セックスした男のパンツを履いて、
午前3時に帰ること
これが私の日常の中で、ちょっとした楽しみだった。
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