23人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
「お、りゅうー!」
「どうしたよ。吹雪になんかあったのか?」
降渡からのいきなりの呼び出しに、流夜は急いで地元へ戻った。
『ふゆが大変。すぐ来て』というメールを受け取ってしまったので。
降渡が呼んだのは繁華街の中の喫茶店だった。
「あそこ、見えるだろ?」
「ん?」
降渡は自分の向かいの席に流夜を呼んでから、道路を挟んだ反対側のカフェテラスを示した。
流夜は席につく。
と同時に頭に一撃を喰らったみたいな衝撃を受けた。
「あそこで、ふゆと咲桜ちゃんがデート中」
「はあ⁉」
デート⁉ しかも、咲桜が吹雪と⁉
素っ頓狂な声をあげた流夜に、周囲の客が怪訝そうな目で見てくる。
降渡が軽く会釈して謝った。
最初のコメントを投稿しよう!