水曜日

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「ただいまぁ」  家に着くと同時に、お母さんが飛び出してきた。  バタバタバタバタ、うちのお母さんはなにをするのもうるさい。少しは茜のお母さんの、おしとやかさを見習えばいいのに。 「蝶子、おかえり。お母さん買い物行ってきたいから、おばあちゃん見てて」 「え、今日デイサービスじゃなかったの?」  靴を脱ぎながらそう言うと、お母さんがわかりやすく顔をしかめた。 「嫌なんだって。あそこに行くのが」 「えー?」 「とにかくおばあちゃん頼むね」  わたしの返事も聞かないまま、お母さんがマイバッグをぶら下げて、逃げるように外へ出て行く。  いや、もしかしたら本当に逃げ出したのかもしれない。このまま家に帰ってこないんじゃないかってほどの勢いだった。  わたしはふうっと息をはき、リュックを背負ったままおばあちゃんの部屋へ行く。
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