水曜日

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 成績優秀、運動神経も抜群で、モデルみたいに綺麗な茜。五年生まで通っていたスイミングスクールでも、かなりいい成績を残していたらしい。友だちもたくさんいて、いつもクラスのまとめ役だった。  いまでも隣の教室をのぞくと、茜はたくさんのひとに囲まれている。  反対にわたしは、成績は中の下、運動も得意ではなく、顔もたいして可愛くない。  小さいころから人付き合いが苦手でのろまだったから、気づくといつも、まわりにできあがった女子グループに入れずにいた。  それでも小学生のころは茜がいたから、なんとかやっていけたんだ。でも中学生になって茜と離れ離れになると、わたしはうまくクラスに馴染めず、教室の片隅で息をひそめて一年を過ごした。  そして今年もやっぱり、新しいグループに入りそこね……ぼっち確定。  もし茜と同じクラスだったら、わたしの中学校生活も変わっていたと思うのに。 「茜ー、バイバイ!」 「バイバイ、またね」  茜が女の子たちに手を振っている。わたしはそんな茜の横顔をちらりと見ながら考える。  茜はなぜか、いつもわたしと一緒に帰る。一年のときからずっとそうだ。  もちろん家が近いっていうのはあるけれど、人気者の茜だったら、絶対誰かに声をかけられるはず。  スポーツだって得意だから、運動部にも誘われていた。  それなのに茜は部活もせず寄り道もせず、必ずわたしと一緒に帰る。  なんでだろう。ぼっちのわたしに気を使ってくれているのかな。
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