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(あ~くそ、いてぇ…。)
源治の気が収まりここを去った後、暁は声を出すことさえしんどいとでも言うように心の中で思いを吐き出していた。
黙って機嫌取りすればここまで反撃を受けることはなかったのだろうが、それが出来るならこんなことにはなっていない。
(やられっぱなしは誰だって腹が立つだろう…)
痛みで動きが抑制された暁は、体が回復するのを宙を見つめたまま待っていた。ジンジンと痛みが続く全身に、起き上がれるのは一体いつになるのやらと一人穏やかに構えていた。
しかし、そんな暁の様子に慌てていたのは、彼の周りで心配そうにオロオロと動き回る星精たちだった。
暁としては話しかけて安心させてやりたい気持ちは山々だったが、それすらも億劫な程に殴られた痛みが後を引きずっていた。
一向に起き上がらない暁に星精たちは、何かないかと探すように周囲を見回し始めていた。すると一体の星精が少し先に落ちているモノに視線を止めた。
それを暁は視線のみで追うと、そこには暁が常日頃から首に掛けている水晶の首飾りが、紐が千切れた状態で横たわっていた。
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