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(あぁ、さっきので千切れたのか…)
暁はそれをどこか他人事のように眺めていた。
他の星精たちもその水晶の存在に気が付くと皆で意思疎通を図るように視線を交わした後、何かいいことを思いついたと言わんばかりにポムッと手を叩いた。
そして、その水晶の周りに集まり円陣を組むと、突然変な舞いを踊りだしたのだった。
「ぶはっ!?何やって…イッ…」
成り行きを見守っていた暁だったが、予想だにしなかった星精たちの行動に思わず笑いを噴き出した。けれどその反動は想像以上に激痛となって暁を襲うこととなったため、暁は楽な体勢に直り星精たちの行動を見守ることにした。
すると、踊っていた星精たちの光が水晶へと集まり始めた。光を纏った水晶は命を得たかのように宙へと浮かび上がった。
その光景に呆気を取られた暁だったが、次の瞬間眩い光が離れ全体を覆った。
暁は痛みも忘れてその光から目を守るように視線を外して腕で影を作った。
間もなく光が収まり再び視線を戻すと、これまた信じられないものを目にすることとなった。
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