運命戦線

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「馬鹿な!現職の総理が言うような言葉では無い!そもそも、何でそんなにSF詳しいんだ!こんな頭のイカれた妄想野ろ、、、、、、、、」  突然乱入してきた先程の記者は、怒鳴りつけるような言葉と共に乗り込んできたが、まるで悪い夢でも見ているかの様な引きつった表情のまま固まり床にへたり込んだ。 「この通り、私はこの世界の人間ではありません。少量の前頭葉の塊以外はほぼ機械の為、壊すのもこの世界では容易にはいかないでしょう」  総理大臣は首を外し、首と胴を繋げてある配線を見せつけるかの様にすると、後ろの壁に手を付けた。 「私はこの時代の総理大臣を模写して作った。未確認飛行物体と同じ世界の道具です。しかし、救世主と呼ばれる人物にこの世界を救う手助けをして欲しいと言われやってきました」  着いた手が一瞬閃光を放ったかと思うと、壁が来るまでも突っ込んだかのように崩れ落ちた。 「この偽物の世界を、本物とすげ替える勇気と覚悟のある方々。戦場で一足お先に待っています」  そう言い、開いた穴からヒーローの如く足のジェットを吹かして消えてしまった。  世界をかけた戦いは始まったばかりである。
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