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「そうだよね、ハルナのお父さん、漁師さんだから、ハルナも運転免許もってるよね? ま、迷ったりしないよね?」
ハルナは、父親の仕事の話をされ、胸中が少しだけざらつく。
「うん、わたしに任せて舞華ちゃん」
三年舞華、二年涼夜が、荷物などの支度を整え、全長3.5メートルほどのボートを囲む。
ハルナがボートのエンジンキーを回す。エンジンの音が室内に、こだまする。
「舞華ちゃん、乗ろうよ」
涼夜は、ボートのドア開けば、自身のスカートを気にしながら乗る。舞華は、助手席に、両膝を抱えて腰を下ろす。運転席のハルナは、大きな声を出す。
「ボートの外見に、希望ある人いる?」
「はーい、二十一世紀の軽自動車。ボディーカラーはパールっぽいピンク色」
最初に答えたのは九条舞華だ。弾んだ声でリクエストを述べる。
「オーケー。21世紀初頭の軽自動車、ボディカラーはパールピンク」
ハルナがおうむ返しをする。ボートの細かい外観が、古美術部で決定された瞬間だ。
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