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登場人物
・遠崎 茂 (竿役)
・吉村 香織(遠崎の彼女)
・工藤 美穂(近所のお姉さん)
ーーー夏。
去年の冷夏と比べ、ようやく夏らしい暑さが戻ってきた。
プールは客で賑わい道端を歩く人々はパタパタと顔を仰ぎながら青空を若干恨めしそうに見上げている。
他の人なら、いつもの夏かもしれない。
でも、僕は違う。今年は特別な夏になるだろう。
何故なら、僕には彼女が出来たからだ。
同じ学年の、吉村香織だ。
席は離れているけど、移動教室の際、彼女が教科書を落としてしまった時拾うのを手伝ったおかげで話すきっかけを作り、それからは積極的に会話する機会を増やしていったのだ。
いつの間にかお弁当を一緒に食べる仲になり、仲の良かった友達よりも話す機会が多くなっていった。
サラサラのショートヘアに、くりくりした丸い目。屈託の無い笑顔。どれをとっても僕には勿体なさすぎるくらいだ。
「ねぇ、遠崎くん」
「ん?」
「こんど、二人でどこかへ遊びに行きたいな。遠崎くんが良ければだけど‥」
「‥!も、もちろん!ど、どこへ行こうか。映画でも観に行く?それとも吉村さんの行きたいところでいいよ。」
「遠崎、がっつくなよ」
「ハハハ」
願ってもないチャンス。僕はここで、一皮剥けてやるぞーー
デートコースを年密に練り、膨らむ彼女とのシチュエーション。あれもしようか、ここにいこうかなど、妄想で頭の中がいっぱいになる。
ぐふ。ぐふふ。
「いっけね。よだれ垂らしてた」
机に突っ伏して妄想して寝ていた僕の涎が現実に引き戻す。
まぁいいか。明後日はまちにまった彼女とのデートなんだ。
「----------遠崎くん」
「あっ、工藤お姉ちゃん!」
近所に住んでいる大学生のお姉ちゃん、 工藤 美穂。
看護師として働くために養護学校で日夜奮闘しているらしい。
幼いころから僕の面倒を見てくれている、もはや僕のお姉ちゃんといっても過言ではない存在だ。人としても尊敬するし、何より、彼女の笑顔は一日の活力の源になる。
小学生の頃はよく勉強を教えてくれたり、一緒に遊んだりしたのをよく覚えている。
‥ただ、ちょっと気が強くて一言多いのが玉に瑕。
「ねぇ、話があるんだけどさ」
「え?」
「今夜、うちでお茶していかない?勉強教えたげる。学校はいつも9時に終わるから、10時半に来てね。待ってるから」
「あ・・うん」
今夜は彼女と家デートするつもりだったのにーーー。
半ば強引に事を進めてしまうのがあの人の長所であり短所だと思う。
それでも、ほんの少し気の弱い僕にとっては、彼女の積極性はうれしかった。
男として、少し情けないよな。こっちから誘うくらいじゃなきゃ。
半ば彼女に諭されるような形で、僕は自分を鼓舞した。
そして夜ーーー。
「いらっしゃ〜い。ノド乾いたでしょ?飲み物は何がいい?ジュース?麦茶?」
「あ‥なんでもいい」
「なんでもいいって‥もー、そういうところがしげちゃんの弱いところなんだからね。デートのときも、そんなんじゃ香織ちゃんに幻滅されるよー。」
飲み物を出されるだけでこんなにお説教される男がいるだろうか。確かに気は弱いけど、吉村の事をリード出来ないほどヘタレじゃない。僕は少しムッとして、言い返した。
「デートのときくらい、彼女のことリードさせられるよ」
「ふーん?じゃ、予行練習してみる?。」
工藤さっ‥な、何を!?
おもむろに彼女は服を脱ぎ始めた。
「ほら‥こういう時どうするか分かる?私は大学生だけど‥女性の扱いに大人も子供も関係ないぞ〜」
「え?え?えええ?」
彼女の唐突な脱衣パフォーマンスに戸惑いを隠せないまま、僕は混乱する。
「勉強!勉強のために僕を読んだんじゃないの!?」
「ふふ、そうよ。【保険体育の】お勉強、工藤お姉ちゃんと一緒に頑張ろ?」
「!!!!」
僕は驚いた。いくら女性とはいえ、いつも一緒に遊んでいた工藤お姉ちゃんを、【そういう目で】見たことは無かった。
よくよく見ると、とても魅力的な身体付きをしている。
170以上はあるであろうスラッとしたプロポーションに、ムチムチの肌、エアコンをつけたばかりでまだ蒸し暑い部屋の熱気で入り混じった、鼻腔を擽る甘酸っぱい彼女のフェロモン。そして、たわわに実る豊満な乳房。
ーーーいったい、何カップくらいあるのだろうーーー
「ハッ!」
脳裏に吉村の顔がちらつく。
ふと思いとどまり、いつもの冷静な自分を取り戻す。
こんな情欲に流される男など、彼女が相手にするだろうか?
工藤お姉ちゃんには悪いけど、きっぱり断ろうーー
「あ、あの、僕には吉村がーーむぐっ!?」
ぽにょん。
柔らかいものが僕の顔に押し付けられる。
それは僕の理性を狂わすには十分すぎた。
「吉村ちゃんがーー何だって〜?」
無邪気そうな彼女の声が狭まった頃には、視界は真っ暗で、かつ心地良いものに包まれて。
「年頃の中学生なら〜、こういうのは大好きなんじゃない?」
下半身に熱い何かがこみ上げる。
女性にこんなことされるなんて思いもよらなかったし、本当に身体も思考もフリーズしていたのだろう。
気がつくとそれは、痛いくらいに膨張した規模の大きさを誇っていた。ズボンの上からでも分かるくらいにカチカチになったもの。
これを許したら、浮気になるーーー
僕はオトナの難しいことは分からないが、そういうことが浮気になるということは本能的に分かっていた。いや、誰でも分かるのだろうがーー
でも、抗えない。ずっとこのまま柔らかいおっぱいに包まれていたい。
決して抗えぬことのできない欲望の渦を満足にかき消すことも出来ぬまま、僕は工藤お姉ちゃんに身を任せていた。
「‥ふふ、目がトロ〜ンとなってるよ‥じゃ、工藤おねえさんの寝室にごあんな〜い♥」
僕は言われるがまま、【女の人】の部屋に招かれるまま連れ去られていた。
「は〜いごろーんしようねー」
半ば赤子をあやすような小馬鹿にした態度で、彼女の寝室まで誘導される。
気がつくと、僕の下半身はむき出しになっていた。
僕はそこで、ハッキリと意識が戻った。
「なっ‥なにやってるの工藤姉ちゃん!」
「ふふふ‥しげちゃんのおちんちんか〜わいい♪」
「なっ、み、見ないでぇ!恥ずかしいよぉ‥!!」
「女の子みたいな声出しちゃって‥。しげちゃんって、そういう顔するんだ〜。」
「いつまでも子供だと思ってたけど、しげちゃんに彼女が出来るなんてねぇ〜」
「い、痛っ!」
心なしか怒り気味に先っぽをツンツンと突かれ、謎の焦燥感に襲われる。
僕が何かお姉ちゃんにした?何か気に触るような事を言ってしまったのだろうか?
「許せない」
「えっ‥!?」
ふと顔を見上げると、そこには鬼のような形相を浮かべたお姉ちゃんがいた。
「ひっ‥お、お姉ちゃん‥」
「わたし、ずっと待ってたんだよ?しげちゃんが幼稚園の頃私に言っていた言葉。もう忘れちゃったの?」
「よう‥ちえんって、あの‥」
「【大人になったら工藤姉ちゃんと結婚するんだー】って。言っていたじゃない!」
?????????
な、何を言っているんだ?僕はまだ中学生で、まだ大人じゃないし、何より、そんな言葉をその年になって本気にしているような工藤姉ちゃんが怖かった。
いつも一緒に遊んでいたし、僕が病気のときは見舞いにも来てくれた。
今まで見ていたのは、彼女の表面的な部分でしかなかったんだーーーー
僕は悟ると同時に、恐怖で縮こまった自分の身体を無理やり起こし、何とかこの場から逃げ計らうようにして寝室を立ち去ろうとした。
「吉村ちゃん!!」
えっ。
「このまま逃げたら‥吉村ちゃんが可愛そ〜なことになるよ〜」
「遠崎くん‥助けて‥」
「よ、吉村さん!」
そこには、縄で縛られ脅えた表情でこちらを見つめる吉村さんの姿があった。
「あああ‥憎い‥この娘が憎い‥私のしげちゃんを奪い去ろうとするなんて‥憎い‥憎い‥」
僕の知らなかった顔を、今日は2つも直視することになった。
いつも朗らかな笑顔の吉村さんの、恐怖に怯える顔。
いつも優しく近所付き合いもよかった工藤姉ちゃんの、狂気じみた笑顔。
僕は唐突に人生の選択を迫られてしまったのだ。
「や、やめてよ工藤お姉ちゃん!吉村さんを傷つけたりしないで!」
「ふふ‥安心してしげちゃん‥吉村ちゃんを傷つけるなんて一切考えてないわ」
「えっ‥」
ほっ、としたような、してないような。
彼女の一言に一喜一憂する。
まだ心臓の鼓動は高まっている。
胸の高まりを抑えきれず僕は更に問いただす。
「で、でも家に連れてまでなんのつもりだ!いくら工藤姉ちゃんでも、やっていいことと悪いことがあるぞ!」
「違うの‥違うのしげちゃん。私はテストをしたいだけなの。あるテストをね」
「な、何のテスト?」
「今からしげちゃんが、私とのエッチに耐えきれるかどうか」
「!?!?」
「簡単よ。今から30分、しげちゃんが私の誘惑に耐えきってエッチ我慢出来たら二人とも逃してあげる」
「な、なんだよそれ!?」
訳のわからない彼女の提案に僕は到底賛同出来なかった。頭が混乱する。
「さぁ、始めよ‥吉村ちゃんは、そこで見ていてね」
「い、いや‥助けて下さい‥誰か‥」
「よ、吉村さん!」
「心配しなくてもいいの。しげちゃんはただ黙って身を預けていればいいんだから‥」
「さ、あの子に見せつけてあげましょ。あの泥棒猫に」
おかしい。
狂っている。
なんで僕が工藤姉ちゃんとエッチなことをさせられそうになっているんだ?
僕はまだ中学生ながら、この状況がいかに狂っているかを説明出来るくらい、めちゃくちゃな展開に驚いていた。
「しげちゃんのおちんちんすっかり萎えちゃったね」
ーーーああ。
そういえば僕の下半身はむき出しになっていたままだった。
恐怖と慄きですっかりしぼんでいた僕のあそこは、今にも工藤姉ちゃんに捕食されるか否かという、あまりにも無防備な状況だった。
「工藤姉ちゃんが怖がらせちゃったかな‥ごめんね、しげちゃん‥」
そういうと彼女は、おもむろに僕の腰を掴んで思い切りひっくり返した。
「うわっ!?」
僕のお尻が浮き上がり、仰向けになっていた身体がふわりと浮き上がり、ばっちりと工藤姉ちゃんにお尻の穴を見られてしまう位置にホールドされてしまう。
「そんな‥工藤姉ちゃん‥!!こんな格好!」
「ふふ‥しげちゃんのお尻の穴ヒクヒクしてか〜わいい♥」
「と、遠崎くん‥」
恥ずかしい。
他人にお尻の穴を見せたことなど人生で一度もないし、ましてや女の人に見られるなんて。しかも、自分の彼女にもなろうとしている吉村さんにまで見られているという事実。
頭の中が真っ白になっていると、すかさず身体の中に異物が混入してきた。
「ひあっ‥!?」
「ん‥ろう‥おねえひゃんのひはは。おひりのはならめられるらんて、はひめてれほぅ‥?」
舌だ。舌を混入されている。
僕は瞬時に、工藤お姉ちゃんにお尻の穴を舐められてしまっている恐怖に襲われた。
はじめての快楽に、僕は思わず顔を仰け反らせる。
「ひ、ひいぃ!そこっ!きたな‥」
お尻の穴を舐めるなんて、どういう神経をしているんだろうーーー
その思いとは裏腹に、泣き出しそうなくらいの快楽が僕の脳裏を貫く。
くすぐったいけれど、蕩けるような快楽を脳裏に焼き焦がすように叩きつけられた気がする。
「ぷはっ!ふふふ、しげちゃんのアナル美味しい‥」
「あ‥あ‥」
「もう‥いや‥遠崎くんが‥」
彼女がなめ終わる頃には、僕の理性は半分快楽で上書きされ、脱力してゾクゾクした快感で膨れ上がって勃起したちんこがそこにあった。
「あ‥ふふふふふ。しげちゃんのおちんちん‥もうギンギンになっちゃってるね‥」
「あ‥あ‥」
「覚えてる?エッチしちゃったら浮気になっちゃうってこと」
「!!」
かすれゆく意識の中、しっかりとさっきの工藤姉ちゃんの言葉を思い出す。
ーーー僕には、吉村さんがーー
「よ‥吉村さん‥」
情けなく蕩けた表情で、僕は縄で縛られた吉村さんの顔を見る。僕に失望していることだろう。目の前でお尻まで舐められて抵抗出来なかった僕が、彼女に寄り添うなんてことは、絶対に出来ないのだろうーーー
それでも、僕はなんとか辛うじて残ってた吉村さんへの思いを、目線で訴えるーーー
「え‥遠崎くん、しげるくん、頑張って!」
その時だった。
じゅぷんっ
「え‥‥?」
気がつくと、僕のギンギンにそそり立っていたモノは、彼女の「ナカ」に包まれていた。
‥‥‥「あ、あああああああああっ!!!!」
ぶりゅびゅるるる!びゅぶぶるるっ!
「あーーー」
その時、僕の理性は完璧に掻き乱され、唐突にやってきた快楽を追い返すことが出来ず、白い「クリーム」を、工藤姉ちゃんのお腹の奥にたっぷり排出していた。
「‥ぷっ、くふふ、あははははははは!!」
「ウ・ワ・キ・しちゃった、ね‥しげちゃん‥♥悪い子。悪い子‥♥」
そんな。そんな。
あまりにも無情すぎる。こちらが我慢する猶予なんてなかったのに。
ーーーそう、これは最初から仕掛けられた工藤姉ちゃんからのイタズラ。
こういうのを、キセイジジツって、いうんだっけ?
薄れゆく意識の中、僕は吉村さんの顔をじっと眺めていたーーー。
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