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守ってくれる人
始業式から1週間。
クラス替えもなかった私のクラスは学年が上がった実感が湧かないまま毎日過ごしていた。
変わったのは担任と副担任と転校生が来たことだけ。
担任と副担任は当たりでもなければハズレでもないし、おみくじでいえば小吉だなぁって思ってたけど、意外とホームルームの話も面白いし、思ったより私たちとの距離感近くて楽しい!
転校生の宮下さんはとても物静かな子。
休み時間は本を読んだり、イヤホンで音楽聴いてたり、基本1人でいる気がする。
仲良くなりたいけど、私も少し人見知りしちゃうし、1人の方がいいのかなぁって思ったりして話しかけようと思うけど躊躇してしまう。
今、3時間目の世界史の授業が終わった。
「あ〜、腹減った。早弁しよっ。」
健太が鞄の中からお弁当を出して食べ始める。
「あと1時間我慢すればいいのに。」
「いいのっ!学食のうどん食べたいし!」
そう言って食べ進める健太。
右を見るとぐっすり寝てる海斗。
「ねね健太、宮下さんと話した?」
「あ、転校生?うん、ちょっとだけ。サッカー部の奴らと話しかけにいった。」
「そうなんだ〜。」
口の中の物を全て飲み込んでから健太は話し始めた。
「でもなんか、俺ら大人数でガツガツ話にいったから、ちょっと迷惑そうだったかなぁ。それがどうかしたの?」
次は唐揚げを口に入れる。
「あの子いつも1人でいる気がしてさ。話しかければいいんだけど何話していいかも分かんないし、迷惑だって思われても嫌だなぁって思うし。」
「別に話しかければいいじゃん!仲良くなりたいんだろ?向こうはアウェイだから話しかけにくいだろうし、お前から話にいきなよ。別に話なんてなんでもいいじゃん。」
「うーん。そうだよね。今日お弁当誘ってみようかなぁ。」
宮下さんの席を見た。
やっぱりまた本を読んでいる。
「なぎっ!今日学食で食べよ!」
華がこっちに来た。
「あ、うん。ね、あのさ、宮下さんも誘っていい?」
「宮下?あー、転校生の子か。うーん別にいいよ。じゃあ後でね。」
チャイムが鳴り英語の授業が始まった。
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