ハナと初めての予防接種

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ハナと初めての予防接種

毎年1年に1回ある予防接種。私は当時まだ中学生で、予防接種がどこでやっているかも知らなかった。 ハナを家族として市役所に報告してからしっかりハガキが毎年くる。この予防接種を受けに行った時に名前に関するほんの小さな事件が起きたのだった。 母が後々、たくさんお世話になる獣医さんへ連れて行った時に先生から診察券を渡された。 診察券の裏に私たち家族の名字と 『はなこ』と書いた。そして先生たちも私が地元に帰ってきて知るまで 『はなこ』だと思っていたのだ。 いや、名前をつけたのは私で本当は『華』のはなだったが母は『はなこ』とした。 なぜかは分からないがたしかに私以外の姉や弟、父は『はなこ』だと思っていて 祖母と祖父はちゃんと『はな』と知っていた。 これが違うという事を知るのに母、父、姉、弟は10年くらい後になる。 病院だがハナは大嫌いだった。 病院へ連れて行けば椅子の下へかくれたりソワソワ。吠えるわけでもキューキュー言うわけでもないが 絶対、椅子に座る私の足の間と椅子したに隠れてプルプルと震えた。 呼ばれても抱っこしていかなければ絶対診察に入らなかった。 でも、注射はおとなしく受け騒がないですぐ終わる。とてもいい子である。ただ私の脇の間に顔をグイグイと突っ込むくらいには診察台の上も嫌いだった。 迷子札と狂犬予防の札をもらい、自宅へ帰ってきた。注射をしたあとは少し美味しいオヤツをあげるのはお約束でそれでも少し拗ねるのであった。 迷子札は毎年もらったが付けても脱走する時は首輪から自分の首をスポーンと抜いて脱走してしまうのであまり迷子札の意味がなく下駄箱に収納されてしまった。 この脱走劇は私に沢山の心配と苦労と地域の人との交流と少しの笑いをくれた。 ハナは人を繋げる天才犬だったのかも知れない。なんて
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