それ、事件じゃないんですかっ!?

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 サンタ。  そして、名前も知らない佐川先輩の犬、可哀想に……と夏巳が思ったとき、集団の少し後ろに立っていた夏巳に気づいた桂が、 「頑張って走れよ、夏巳。  お父さんたちと見てるから」 と素敵な笑顔で言ってくる。  きゃーっ、と悲鳴が上がった。 「夏巳っ、ずるいっ」 「覚えてらっしゃいっ、しごいてやるからっ」 と佐川も言い出す。  いや、先輩。  私、バレー部じゃありません……。  しごくためだけにバレー部に入れられそうな気配を感じ、夏巳は、すたこら逃げた。
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