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追憶の日々
この物語は、苦悩に満ちた少年によって、少年期の頃に綴られたポエムから始まる………。
「ワタシはオゾン。」 by 日下 陽平
ワタシは、オゾン。
金の鎖に繋がれて、この刹那へとやって来た。
それは、因果の故なのか………
はたまた、ゼウスの雷か………
ワタシはオゾン。この世は地獄。
吾の御霊は、………ドブの底。
それは、吾の故の成れの果て………。
ガイアの慈悲があるのなら………
アフロディーテの豊饒よ。夜空を駆ける流星よ。
汚れた御霊を救い給へ………。
ワタシは、オゾン。
こんな御霊の吾なれど、誰の魂救えるか?
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その日は、木枯らしが吹いていた。
僕は独りぼっちだった。
「………もう、死んでしまいたい。」
その頃、少年だった僕は、そんな気持ちを、どれくらいの間、思い続けてたのかしらね?
希死念慮に取り付かれてしまい、死に急ぐ事ばかり考えてた日々もあったのかも知れない。
それでも、死に切れずにいた、あの頃の僕。
でも、どうして、死んでしまう事ばかり考えてしまっていたのかな?
希死念慮とは、人間であれば誰しもが持たされている本能的なモノであると、何処かの哲学者が呟いていたらしいけれど………。
ひょっとして、死神に魅入られたのか、それとも、僕そのものが、死神だったのだろうか?
そんな事が判れば、苦労はしないのにね………。
あれは、何時の頃だったのかしら。
そう………。あれは、忘れもしない、思春期の頃。
級友にも苛められ、オウチに帰っても虐められ、
生きる居場所を失って、途方に暮れてたあの頃の僕の背中だけが覚えてる。
お家の近所に昔からあるグラウンドで、ひとりの少年が、目前に佇んである大きな木を見上げながら、虚ろな面持ちで見詰めていた。
気が付くと、その少年がボクだった。
「………神様。どうか僕を助けて下さい。僕はもう、生きている事が辛くなりました。僕はもう死んでしまいたい。どうか助けて下さい。その代わりに、僕の生命を捧げますから。」
人は、ヒトと言う存在は、エゴイズムと言うモノを無視しては生き続ける事は到底不可能に限りなく近いのかも知れない。………とは言うものの、今時の少年が、エゴイズムと名付けられた概念から解放されてしまう事って、人類史上の中で有り得る事なのかしらね?
ワタクシは、暫くの間、その少年の姿を見届ける事にした………。
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