第三章~縮まる距離~

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第三章~縮まる距離~

 僕と香雅梨ちゃんはこわごわと教室に戻ったけれど、大鳳寺君はどう言う訳か僕たちを気に留めることさえしない。これも翔鶴君が居るためであるとすれば、二人の関係がますます気になるのだが、ひとまず真の意味で危険は去ったようだった。  そして学校が終わると、僕は足取り軽く自宅へと帰り着き、パソコンを開いた。こんなに心が軽いのはいつぶりだろう。どれもこれも、香雅梨ちゃんと親しくなれたおかげだ。やはり誰かと何かを共感できるというのはそれがどのようなことであっても、素晴らしい。そして僕はこの日、もう一つ良い出会いをすることになった。  僕は小説を書くことが好きだけれど、ほかの人の小説を読む以外に、時々漫画を読んだりもする。そして今日、なかなか共感できて良いなと思う作品に出合った。僕のようにいじめを経験しながらも、数々の試練を乗り越えていくような展開だ。まるで僕から分かれた僕の半身が描いたように共感できる。 「へえ~ここまで共感できると面白いな~描いている人のペンネームは……霧島きりしま 弥生やよいか。どんな人だろう」  僕はそんなことを思いながらいつも通りベッドに転がり込んだ。快晴の夜空には、美しい天の川が輝いていた。
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