衝撃

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衝撃

あの試合から数ヶ月… 俺は無事受験を乗り越え、第一志望である"白虎大高校"に合格した。 そして、今日が入学式である。 「おっはっよ~っす!」 「はよっ。」 「相変わらず冷めてんなぁ~、この低血圧野郎が!」 朝からテンションの高いこいつは、元チームメイトである高橋良介[タカハシリョウスケ]だ。 出会って早々、俺の頭をコミカルに叩く。 多少腹は立つが、今更やめろと言ったところでやめてくれるわけないから、そのままスルーしてやってるのが俺の優しさ。 元々学力も成績もそんなに変わらないのをいいことに 「秀!一緒にバスケしようぜ!」 と半ば強引に誘われた。 別に白虎大が特別強豪チームである、というわけではないが強いチームのある学校は残念ながら偏差値が高い。 まあ、オレはバスケが出来るならどこだっていいからどこでもいいんだけど。 そこで精一杯やって、レギュラーとって、意地でも上へと登りつめてやる。 すべてはあいつと戦うため… 学校につくと、校門は人で溢れかえっていた。 何処をみても、人、人、人…まるでお祭り騒ぎだ。 「秀ー!良介ー!こっちこっちー!」 中庭の方で俺たちの名前を呼ぶ声がした。 声を頼りに近づくと、同じ中学のメンバーが揃っていた。 俺たちの学校からは15人程がここに来ている。 「あそこにクラス発表の貼紙がしてあったよ。」 「おおそっか、さんきゅ。」 一人の女の子が説明している方向を指しながら、親切に教えてくれた。 俺たちは指示通りに進み、貼紙を見た。 1組~8組まであった。 1組から順番に見ていく。 「んー、…ないなー。」 良介が指で口元を押さえ、んー、と唸りながら次々とみて行く。 俺もそれの後を追うようにして見ていった。 2……3……4……5… 「おっ、あった。」 「まじっ?どれどれ!」 俺の前に身を乗り出してくる良介。 「押すなって…ほら、ここ。」 "2515 高橋良介"と書かれた箇所を指差した。 「あっ、本当だ!俺5組か~。って、秀は?」 勢いよくこちらに顔を向ける。 さっきからずっと良介の顔は百面相していて、落ち着きがない。 先ほど指でさした位置からゆっくりと上へとスライドさせる。 そして、途中でピタリと止めた。 そこには"2508 瀬名川秀"と書かれている。 「おっ!一緒のクラスじゃ~ん!やったね~!」 良介は俺の首に腕を回し勢いよく抱きつきながらピョコピョコと跳ねた。 「や、めろ、って…揺れる…脳が揺れる…。」 良介の腕をスルリと抜け、一発叩いてやった。 良介はそれをもろともせずに、ケロっとしている。 少しくらいは加減ってものを覚えて欲しいもんだ。 「どーせだから、他にどんな奴がいるかもみとこーぜ。」 良介は再び貼紙に視線を戻した。 それにつられ、オレも視線を戻す。 そしてまた、良介の後の番号を見て行った。
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